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銀河鉄道『SL銀河』が誘う、時空を超えた東北の旅
SL銀河試運転2014年2月9日/SL銀河情報 JR東日本盛岡支社

銀河鉄道『SL銀河』が誘う、時空を超えた東北の旅

2011年3月11日。

誰もの記憶に新しい、想像を絶する甚大な被害をもたらした東日本大震災より3年が経過します。地震と大津波による被害は、かつての美しい街と自然の面影を持ちさらい、そこに暮らしていた人々は、”時間の有限性”を否応なく、目の前に叩きつけられることになりました。

そんな、被災地のひとつである 岩手県釜石市-花巻間で、悲しみから生へのエネルギーへと向かう銀河鉄道、SL銀河が 4月12日より運行されます。

プロデュ―スしたのは、イタリア人以外で初めてフェラーリをデザインしたことで良く知られる 、Ken Okuyama Design代表の奥山清之氏。彼自身も東北地方の山形県出身で、地場産業をデザインで盛り上げ、東京を経由してではなく、地方から直接世界へ発信するスタイルを提案しているデザイナーです。

そして、そのテーマに選ばれたのは、松本零士氏の『銀河鉄道999』のインスパイア源にもなった、 日本を代表する文学作品、宮沢賢治氏の『銀河鉄道の夜』です。東北、岩手県の出身の彼は、自然の美しさと人間との関わり、そして光を愛した作家で、『銀河鉄道の夜』は、同釜石線をモチーフに描かれています。

なにがしあわせかわからないです。ほんとうにどんなつらいことでも、それがただしいみちを進む中でのできごとなら、峠の上りも下りもみんなほんとうの幸福に近づく一あしづつですから(宮沢賢治『銀河鉄道の夜』より)

迷いと悲しみの中から、何をすべきか、そして生きる希望を見つけていく『銀河鉄道の夜』のストーリーは、震災から復興に向かう人々の姿と重なります。

SL銀河は、かつて岩手県で活躍していた蒸気機関車C58 239を42年ぶりに修復したもので、その復旧に向けての活動には、現地の沢山の人々も関わっています。もちろん、運転士や修理工なども蒸気機関車に触れた事などなく、1からSLについて学び、技術の習得に励みました。

夜から明け方までのブルーの移り変わりをモチーフにした、銀河ブルーのグラデーションをベースに、ゴールドの真鍮で、沿線に生息する動物や星座が描かれている車体は、それだけで幻想的な物語の中へと、私たちを引き込みます。そして、中へ足を踏み入れれば、もう銀河鉄道の旅の始まりです 。

岩手の伝統工芸、南部鉄器風の鋳肌を使った荷棚や、本物の木を使用した昭和、大正ロマン風の内装と 、美しい光が物語を語り出すかのようなステンドグラス、そしてJR初の試みのプラネタリウムの採用。

興味深いものが満載ですが、忘れてはならないのが、 仙人峠、 民話のふるさとと呼ばれる遠野、白鳥のいる三郎堤の湖 、めがね橋などの車窓の風景です。停車駅には、宮沢賢治氏に因んだ各駅の愛称がエスペラント語で書かれているのも面白いところです。終着駅の釜石からは、48mを超える真っ白な釜石大観音や、 広大な千畳敷や岩礁 、リアス式海岸美を堪能できる 御箱崎へ、足を伸ばすのも忘れないで下さい。

星座や木のぬくもり、そして車窓に見る自然界とのふれあい。宮沢賢治氏のメッセージを受け取り、過去から伝統で紡がれるものの価値、現在から未来へとつながっていく大切な何かを、きっと感じ取ることが出来るはずです。

それは、 有限的な時間の中に、 時間を超えて心を打つものと自分自身を再発見できる旅になるでしょう。

JR東日本 盛岡支社 SL銀河情報

Ken Okuyama Design

About Yayoi Nakanishi

Laurea in disegno tessile. In Giappone ha lavorato come stilista, ha studiato web design e si è occupata di e-commerce. Nel 2008 si è trasferita in Italia. dove applica le sue competenze nei settori del commercio, della grafica e delle traduzioni. 東京造形大学 造形学部 テキスタイルデザイン専攻卒。 某シューズメーカーにてメンズ、レディースの企画デザイン全般を担当後、ウェブデザインを学びEコマースに携わる。2008年渡伊。アパレル、シューズ販売に携わる傍ら、ロゴ、フライヤー製作等のグラフィックデザイン、翻訳などを行っている。FuturAbles.comのイタリア語から日本語への翻訳、モード&デザインに関する記事の執筆、グラフィックデザイン全般を担当。

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